
山梨県は、富士山をはじめとする山々に恵まれた自然環境と、首都圏からのアクセスの良さでトレッキングに人気のエリアです。
本記事では、初心者でも挑戦しやすいトレッキングコースから中級者向けのトレッキングコースまで8つのコースを紹介します。
安全にトレッキングを楽しむためのルールや準備についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

山梨県には魅力的なトレッキングコースが豊富です。
下記は、主要なコースを難易度別に整理した一覧です。
【初心者向けコース】
【中級者向けコース】
本記事では各コースの難易度を下記のように表記します。
★☆☆☆☆:初心者向け
★★☆☆☆:初心者〜初級者向け
★★★☆☆:中級者向け
★★★★☆:中級者~上級者向け
★★★★★:上級者向け
各コースの概要や見どころを解説します。

山梨県でトレッキングを安全に楽しむために、守るべきルールを紹介します。
山梨県では、「山梨県登山の安全確保に関する条例」により、冬季に指定区域に入山する場合、トレッキングであっても登山計画書の提出が義務化されています。
義務化期間:12月1日から翌3月31日
提出が義務づけられている指定区域
- 富士山(山梨県側のうち標高3,000m以上)
- 南アルプス(鋸岳、甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰、鳳凰山、仙丈ケ岳、小太郎山、北岳、間ノ岳、農鳥岳、笹山、笊ヶ岳など)
- 八ヶ岳(赤岳、権現岳、編笠山など)
提出方法:登山アプリ「コンパス」、メール、FAX、郵送、登山ポスト
引用:山梨県公式ホームページ「山梨の登山・山岳情報ポータル」
登山計画書は、万が一遭難してしまった場合に、迅速に救助活動をすすめるために重要な書類です。上記の期間、区域以外でも登山計画書を提出しておくと安心です。
トレッキングの際は、環境保護のために以下のようなルールがあります。
また、安全確保のために次のようなマナーを守りましょう。
これらのルールやマナーを守り、安全にトレッキングを楽しみましょう。

ここからは、初心者向けの山梨にあるトレッキングコースを紹介します。
大菩薩嶺は標高2,057mの大菩薩連峰の盟主で、日本百名山に選ばれています。
標高約1,600mの上日川峠からスタートするコースは、初心者やファミリーにも人気で休日には多くの人が訪れます。
※上日川峠以外からのコースは中級者以上向けです。
大菩薩嶺から大菩薩峠までの稜線歩きが好評で、富士山や周辺の山々を望める絶景が広がります。
※甲斐大和方面から上日川峠に向かう道路は冬季通行止め
高川山は標高976mで、山頂からの富士山の絶景は「秀麗富岳十二景」のひとつに数えられます。
山頂までの遊歩道が整備されており、トレッキング初心者におすすめです。
コースが複数あるため人に遭遇することが少なく、静かに楽しみたい方にもおすすめです。
男坂の方が急登で、女坂は比較的緩やかな道になっています。
横尾山は標高1,818mの山梨県と長野県の境にある山で、山梨百名山に選ばれています。
山道には、レンゲツツジやアヤメをはじめとする花々や、山野草などに出会え、自然観察に最適です。
草原の気持ちよさや、展望の美しさが好評のコースです。

続いて、中級者以上向けのトレッキングコースを紹介します。
菊花山は標高644mの里山で、大月駅から徒歩約15分とアクセスが良好なため手軽に入山できるのが魅力です。少し歩くと大月の街並みや富士山も見られるため、短時間でも達成感を味わえます。
遊歩道は整備されておらず、ロープ伝いで歩く道などもあり、少し怖く感じる方もいらっしゃるかもしれません。
菊花山を奥深く進むと御前山へ通じるので、菊花山だけで物足りない方は足をのばしてみるのもおすすめです。
杓子山は標高1,598mで、忍野村からのアクセスが良好なトレッキングスポットです。
富士山を間近に見られるほか、山頂からの大パノラマは圧巻です。
標高約940mの不動湯登山口までは車でアクセスできるため、山頂を目指す場合におすすめです。
金峰山は標高2,599mの日本百名山で、山梨県と長野県の県境に位置する本格的な山岳コースです。
さまざまなレベルのコースがありますが、大弛峠登山口から入るコースが歩きやすく、花崗岩群やシャクナゲをはじめとする花を楽しめる「夢の庭園」など美しい自然が見られます。
雨乞岳は甲斐駒ヶ岳の北側にある、標高2,037mの山です。
ヴィレッヂ白州からスタートするルートは整備されているため比較的歩きやすいコースです。
さまざまな種類の高山植物や、キノコなどを見られ自然観察にもぴったりです。
竜ヶ岳は標高1,485mの本栖湖の南側に位置する山です。
コース上では、本栖湖や富士山を眺められます。タイミングが良ければダイヤモンド富士が見られるかもしれません。
積雪時はアイゼンなどを装着が必要です。

安全にトレッキングを楽しむためには、事前の計画と準備が不可欠です。
この3点をチェックし、ひとつずつ準備を進めましょう。
トレッキングの基本的な装備は次のとおりです。
【安全のため装備】
上記のほか、夏は熱中症対策グッズ、秋から春にかけては防寒対策グッズなど、気候に合わせて必要なものを追加しましょう。
山の天気は急変することもあるため注意が必要です。安全にトレッキングするため入山前に、気象庁の気象情報や雲の動き、降水確率の詳細を確認しておきましょう。
また、当日になって悪天候や雲行きが怪しい場合は、中止するのも英断です。
トレッキング中に、急に風が強くなる、川の水量が増えてくる、遠くに黒い雲が見える場合などは下山するよう心がけましょう。
無理なく安全にトレッキングを楽しむためには、自分の体力やスキルに合ったコースを選択しましょう。
初心者の場合は、5時間以内、標高差500mほどのコースからはじめ、段階的にレベルアップしましょう。
コース選びでは、過去の経験や同行者の体力、休憩ポイントの位置、最新の道路・コース情報を必ず確認します。
無理のない計画で、安全に自然散策を楽しみましょう。
首都圏からのアクセスが良好な山梨県には、初心者から上級者まで楽しめるトレッキングコースが豊富にそろっています。
富士山をはじめとする、各コースからの絶景を楽しみながら、四季折々の自然を観察できるでしょう。
安全な山歩きのためには、登山計画書の提出、適切な装備の準備、最新の天候情報の確認、自分の体力に合ったコース選択が重要です。
適切な準備と計画で、山梨県でのトレッキング体験を楽しみましょう。
