
日本人なら一度は登ってみたい富士山。
2013年に世界文化遺産に登録された富士山は、国内のみならず、海外からの登山者も多い人気スポットとなっています。
富士山はいつでもそこにありますが、実は、一般人が登山できる期間は夏の限られた期間のみと決まっているんです。
閉山期は、プロでも思わぬ事故に遭う危険があるため、素人が行くのはやめましょう。
そこで今回は、冬の富士登山の危険性や、開山期について詳しくまとめました。
富士登山の計画をしている方は、要チェックです!

富士山は毎年7月上旬〜9月上旬が開山期。
開山期間中は、8合目付近〜山頂にある山小屋が営業しているため、山小屋に宿泊したり、食事を摂ったりしながら、安全に登山できる期間なんです。
登山者が多いことから、何かあっても助けを呼びやすい環境であることも、富士登山にチャレンジしやすいポイントと言えますね。
その反面、開山期はマイカー規制があること、登山者が多く、自分のペースで登れないことなどから、閉山期に入ってから富士山に登ろうと考える方もいるでしょう。
確かに、マイカー規制が解除されれば、5合目駐車場まで車で行けるため、登山者にとってはとても便利。
しかし、閉山期に入ると、登山ルートは鎖やフェンスで通行止めになり、物理的に通れなくなります。
そもそも、閉山期には山小屋が閉鎖するため、屋内の休憩場所がないこと、飲み物や食料を調達できないことから、素人にはかなり危険なんです。
富士山は、夏でも山頂には少し雪が残っていますが、閉山期に入ると間も無く雪が降り始めます。
雪が積もることで登山道がわからなくなり、足を踏み外したり、道を間違えたりして、遭難や怪我につながる恐れもあるんです。
富士山は登山道が整備されていてとても登りやすいですが、閉山期に富士山に行くのは絶対にやめましょう!
冬の富士登山は、山を知り尽くしたプロでも危険を伴います。
富士山オフィシャルサイトでは、閉山期に富士登山する場合について、万全な準備をしない方の富士登山の禁止と、登山計画書の提出、そして冬の富士登山の危険性や安全のためのガイドラインを示しています。
登山計画書は、富士吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートのそれぞれの窓口、またはオンラインで、1週間ほど前までに提出する必要があります。
富士山には公衆トイレがありますが、閉山期には閉鎖されてしまいまうため、携帯トイレは必須。
富士山の美しい自然を維持するためにも、必ず持っていきましょうね!
閉山期の富士登山では、装備がとても重要です。
以下の装備は最低限必要なものなので、必ずチェックしましょう。
この他、落石や噴火対策として、ヘルメットとゴーグル、防塵マスクの持参を推奨しています。
なお、閉山期の富士登山は、単独ではなく必ずグループで行くようにしましょう。

富士山は、毎年30万人ほどの登山者が訪れる人気スポット。
7月上旬〜9月上旬までの開山期は、山小屋が営業し、安全かつ快適な登山を楽しめます。
富士山の山頂を目指すには、以下の4つのルートがあります。
富士吉田ルートは、一番登りやすいルートですが、最も登山者が多いルート。
登山者が多いことと、8合目付近で須走ルートと合流することから、8月の土日やお盆期間には、ご来光を目指す登山者で渋滞することもあります。
ご来光を見るには、夜中に山小屋を出発する必要があり、暗い中渋滞に巻き込まれると、疲労に加えて寒さで辛い思いもするでしょう。
山頂から見るご来光は絶景ですが、混雑を避けて、山小屋でご来光を見るのもおすすめです。
山小屋といっても標高3,400mの場所にあるので、十分きれいな景色を楽しめますよ。
ご来光を見てから山頂を目指せば、渋滞もなくスムーズに登れます。
須走ルートは、途中まで森林の中を登山するため、景色が見えない代わりに日中の日差しから体を守れるのが特徴です。
富士山に自生する植物を観察したい方にぴったりですよ。
渋滞を避けて静かに登りたいなら、滅多に渋滞しない御殿場ルートがおすすめ。
御殿場ルートは、4つの登山道の中で一番距離が長く、傾斜が緩やかなのが特徴です。
体力に自信がある方なら、景色を楽しみながらゆっくり山頂を目指すのも良いですね。
富士宮ルートは、4つの登山道の中で一番距離が短く、傾斜が急なのが特徴。
岩場も多いため、滑り止めのついた軍手や足をしっかりホールドしてくれる登山靴が必須です。
また、登山道と下山道が一緒なので、すれ違う際には注意が必要となります。
開山期は、5合目までの道路がマイカー規制となり、一般車は通行できなくなります。
開山期間中は、麓に自家用車を停めるか、公共交通機関で麓まで行き、シャトルバスやタクシーに乗り換えて5合目まで行く必要があります。
なお、御殿場口新5合目は、マイカー規制を行っていません。
富士吉田ルートでは、体力に自信がある方や、登山に慣れている方が、1合目から登山する方法もあります。
富士吉田口は、北口本宮冨士浅間神社に登山道の入り口(0合目)があり、そこから、約2時間ほど歩くと、1合目の馬返しに到着。
馬返しには駐車場がありますが、登山シーズンには満車になることもあるため注意が必要です。
馬返しまでは、バスで行くこともできますよ。
馬返しから富士吉田5合目までは、約3時間半ほどの登山となります。
大人気レースの「富士登山競走」では、富士吉田市役所をスタートし、北口本宮冨士浅間神社→馬返しを通って5合目までを競うんですよ。
富士登山競走に参加している気分で、5合目を目指してみるのも良いですね!

富士山は、登山道が整備されていて登りやすい山ですが、安全に登るためには十分な装備が必要です。
富士登山は何時間もかかる長い道のり。
途中で体調を崩しても、結局は自力で下山しなければなりません。
登山者が多く、山小屋も経営しており、ガイドもいるとはいえ、装備が不十分だと、後々自分が困ったり、一緒に登っている仲間や周りの登山者に迷惑をかけることにもつながるんです。
富士山のオフィシャルサイトでは、最低限、以下の装備をするよう呼び掛けています。
富士登山にチャレンジする際には、ぜひ服装と持ち物をチェックして、安心して登れるようにしましょう。
他にも、万が一噴火したときに備えて、ヘルメットとゴーグル、防塵マスクの持参も推奨しています。
足腰への負担を減らすために、ストックを持っていくのも良いですね。
富士山は、子どもでもチャレンジできる登りやすい山ですが、一般の方は、必ず夏の開山期に行きましょう。
冬の富士山は、雪化粧をしていてとても幻想的です。
しかし、登山のプロであっても、冬の富士登山は危険と隣り合わせ。
毎年遭難して亡くなる方もいるので、絶対にやめましょうね!
一人一人がしっかりルールを守って、安全に楽しく富士登山を楽しみましょう。
