
冬の登山は、暑さや虫に対する心配が少ないのが魅力ですよね。
山梨県には、そんな冬登山にぴったりな山が多数存在しています。
しかし、冬の登山には冬特有のリスクも潜んでいます。
そこで本記事では、山梨県で冬登山する際の注意点とおすすめの山を6つご紹介します。
初心者向けと中級者以上向けに分けて紹介するので、行きたい山が見つかります。
ぜひ、冬登山の計画をたてるのにお役立てください。

山梨県には冬登山を楽しめる山がたくさんあります。
しかし、夏の登山とは異なるリスクが潜んでいるため、十分な準備と知識が必要です。
ここからは、冬の登山を安全に楽しむために知っておくべき注意点を解説します。
山梨県では「山梨県登山の安全確保に関する条例」により、冬季に指定区域へ入山する場合、登山計画書の提出が義務づけられています。
万が一、遭難してしまった場合、登山計画書が提出されていると速やかに救助活動を実施できます。
提出の概要は以下のとおりです。
”義務化期間:12月1日から翌3月31日
提出が義務づけられている指定区域
- 富士山(山梨県側のうち標高3,000m以上)
- 南アルプス(鋸岳、甲斐駒ヶ岳、アサヨ峰、鳳凰山、仙丈ケ岳、小太郎山、北岳、間ノ岳、農鳥岳、笹山、笊ヶ岳など)
- 八ヶ岳(赤岳、権現岳、編笠山など)
提出方法:登山アプリ「コンパス」、メール、FAX、郵送、登山ポスト”
引用:山梨県公式ホームページ「山梨の登山・山岳情報ポータル」
冬の登山では、夏と異なるリスクが数多くあります。
とくに注意するべきなのが、吹雪・滑落・雪崩です。
1.吹雪
登山中に吹雪にあうと、ホワイトアウトという視界が白く覆われ、方向感覚や距離感がわからなくなる現象がおこります。
闇雲に動くとルートから外れる危険性があるため、ホワイトアウトに遭遇した場合は、動き回らず、保温しながら視界が開けるのを待ちましょう。
2.滑落
冬の山では、積雪や凍結が原因で転倒や滑落事故が多発します。
氷結した地面での転倒や、稜線上で風下側にひさし状に張り出した雪の塊を踏み抜いてしまう可能性が高くなります。
登山前にアイゼンを使った歩行練習を十分行っておきましょう。
3.雪崩
雪崩は、降雪による重みや気温の上昇により、積もった雪が不安定になると発生しやすくなります。
大量の降雪の直後や気温が上昇した日は山に入らないようにするのが基本です。
事前に、県警の冬山情報などをチェックし登山計画をたてましょう。
冬の登山では体温管理が重要です。
レイヤリング(重ね着)で体温調節するのが基本で、汗をかかないようこまめに調整しましょう。
登山靴はアイゼンが装着できるものを準備します。
浅い積雪ではチェーンスパイク、凍結した登山道では軽アイゼンなど使い分けると良いでしょう。
冬は日照時間が短く、16時ごろから暗くなることがあります。
日没を迎えると行動不能になる方が多いため、必ずヘッドライトを準備していきましょう。

冬の登山は装備や技術が必要に思えますが、山梨県には冬山に慣れていない方でも比較的安全に楽しめる山があります。
ここでは、アクセスがよく初心者でも楽しみやすい山を3カ所紹介します。
高川山は標高976mの山で、山頂まで登山道が整備されており、冬でも比較的登りやすい低山です。
山梨県都留市と大月市にまたがり、JR中央線初狩駅から徒歩でアクセスできる気軽さが魅力です。
コース概要:JR初狩駅→登山口→男坂・女坂分岐→分岐→高川山山頂→分岐→男坂・女坂分岐→登山口
所要時間:約3~4時間
山頂を目指すコースは、男坂または女坂を通る2つに分かれています。
男坂は急登で、女坂は比較的傾斜が緩やかです。
山頂から下山する際はいくつかコースが分かれていますので、確認しながら進みましょう。
途中、急な登りや岩場を通る箇所があるため、凍結時は滑りやすくなります。
公共交通機関:JR初狩駅から登山口まで徒歩約25分
車:大月I.C.から約30分(専用駐車場あり)
日向山は、山梨県北杜市にある標高1,660mの低山です。
登山道が整備されており、初心者でも登りやすいと人気を集めています。
晴れた日には、八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳を間近に望めます。
積雪のない日には、山頂付近「雁ヶ原」で風化した花崗岩が白いビーチのような景色が見られます。
コース概要:尾白川渓谷駐車場→矢立石登山口→三角点→日向山山頂→矢立石登山口
所要時間:約4~5時間
尾白川渓谷駐車場から矢立石登山口まで約50分歩きます。
三角点を過ぎると雁ヶ原にでます。
雁ヶ原は滑りやすいため十分注意してください。
公共交通機関:JR長坂駅・日野春駅・小淵沢駅からタクシーで約20分
車:中央自動車道長坂ICから約30分
※矢立石登山口までの林道は冬季閉鎖により直接行けないため、尾白川渓谷からスタートし矢立石登山口を経由します
石割山は、山梨県南都留郡山中湖村に位置する標高1,413mの山です。
登山道はわかりやすく、道に迷う心配がなく安心して挑戦できるでしょう。
石割山からは山中湖と富士山が同時に眺められます。
また、山頂手前には石割神社が鎮座しており、パワースポットとしても有名です。
コース概要:平野バス停→石割神社→石割山→平尾山→大平山→大出山入り口バス停
所要時間:約4~5時間
石割山山頂からは、大平山へ向かうハイキングコースが人気で、富士山を眺めながら歩けます。
車で訪れる場合は、山頂から往復して駐車場へ戻るといいでしょう。
公共交通機関:富士急行線富士山駅から約45分「平野バス停」下車徒歩約20分
車:山中湖ICから約20分(石割山神社駐車場あり)

冬の登山に何度か挑戦したことがある方向けに、より本格的な冬山の魅力を感じられる山をご紹介します。
いずれも冬ならではの絶景が楽しめます。
竜ヶ岳は、本栖湖の南岸に位置する標高1,485mの山です。
低山でも積雪や凍結によって難易度が上がるため、中級者以上向けとしています。
冬には「ダイヤモンド富士」が見られるため、とくに元日には多くの登山者が訪れます。
低山でありながらも雪化粧した富士山のダイナミックな姿や、本栖湖を上から見下ろすことができるのも魅力です。
コース概要:竜ヶ岳登山口→石仏→分岐→竜ヶ岳山頂→分岐→石仏→竜ヶ岳登山口
所要時間:約3~4時間
中腹以降は笹原が広がり、富士山を眺めながら歩けます。
ダイヤモンド富士を見る場合は、ヘッドライトと十分な防寒対策が必須です。
公共交通機関:富士急行線河口湖駅からバスで約45分「本栖湖」下車
車:河口湖ICから約30分(竜ヶ岳登山者用駐車場あり)
三ツ峠山は開運山・御巣鷹山・木無山の3つの山の総称で、一番高い標高が1,785mの開運山を三ツ峠山と呼ぶこともあります。
日本二百名山、山梨百名山にも数えられており、富士山の全体像を見渡せます。
冬期は登山道で凍結する部分が多く見られるため、必ず軽アイゼンなどを装備していきましょう。
コース概要:三ツ峠山登山口(河口湖側)→三ツ峠山山頂→三ツ峠山登山口(河口湖側)往復
所要時間:約2~3時間
三ツ峠登山山頂を目指すコースは複数ありますが、河口湖側の登山口からスタートするコースが最短です。
休憩できるベンチや山小屋があるため、安心して挑戦できるでしょう。
公共交通機関:富士急行線河口湖駅からバスで約25分「三ツ峠登山口」下車
車:河口湖ICから約30分(三ツ峠登山口駐車場)
大菩薩嶺は標高2,057mの山で、首都圏からアクセスしやすい山として人気があります。
雷岩から大菩薩嶺にかけての稜線は開放的で、周囲の山々を見渡せます。
冬山の登山を練習したい方にもぴったりな山です。
コース概要:丸川峠分岐→上日川峠→唐松尾根→大菩薩峠→賽ノ河原→雷岩→大菩薩嶺→雷岩→上日川峠→丸川峠分岐
所要時間:約6~7時間
夏季は車で行ける上日川峠駐車場が、冬期は閉鎖されているため、丸川峠分岐駐車場からスタートするコースを紹介します。
丸川峠分岐駐車場から上日川峠まで約1時間歩くため、その分所要時間が長くなるコースです。
公共交通機関:JR塩山駅からタクシーで約15分
車:勝沼I.C.から約40分(丸川峠分岐駐車場)
山梨県には、冬の登山に最適な山々が数多くあります。
冬は空気が澄み、遠くまで景色を見渡せる魅力的な季節ですが、夏とは異なるリスクも伴います。
安全に冬の登山を楽しむためには次のポイントを必ず守りましょう。
本記事でご紹介した山々は、それぞれ冬ならではの魅力があります。
ご自身のレベルに合わせて、十分な準備と安全への配慮を怠らず、山梨の冬登山をお楽しみください。
